ベトナム国境の村から乗り合いタクシーで5時間、
でこぼこの道を走らせようやく到着した首都のプノンペン。
タクシーを降りるとすぐに、
暇を持て余すバイクタクシーのドライバーが取り巻いてくる。
『どこに行くんだ』
『宿は決まっているのか』
『ガイドはいらないか』
暑い車内に5時間もいた僕はくたくたで、
とりあえず宿を取りたかった。
ドライバーの輪の中でも人の良さそうなおじさんに、
『(地図を指して)この宿に行きたいんだ』
と告げる。
(プノンペンの宿は、
アンコールワットのあるシェムリアップという町や、
タイやベトナムの観光地と比べて遥かに質が悪く、
しかも安宿街のようにまとまっているところがない。
→旅行者にとって便利な、情報の集まる場所がないということ。
小さな路地に点在する宿の中でも、
できるだけ安い宿を選び、おじさんに案内してもらう)
『分かった、後ろに乗りな』
大きなザックを背負いながら、
小ぶりなバイクの後部座席に座る。
バイクに乗り町を巡るなか、
パっと見ただけでも華僑資本の影響力が大きいと分かる。
『牛耳られてるなあ』
そんな思いを抱きながら、僕らを乗せたバイクは進む。
なかなか着かないなあ、迷ってるのかな
そう思いかけた頃。
突如降りだした猛烈なスコール。
そうか、カンボジアはまだ雨期を抜けきっていなかった。
9月も下旬、
タイなら乾季への移り変わりの時期だが、
カンボジアでは雨期の終わりかけの最も雨量の多い時期。
地面を叩きつけるような物凄い雨で、
道路はあっというまに水に浸されていく。
なんという水はけの悪さだろう。
こんなに簡単に道路に水が貯まったら、
毎日大変だろうに
なんて考えてはみるけど、
僕らももちろんべしょ濡れ。
カメラバックだけは濡れないように、
と必死に抱えながら宿探しを続けていたが、
耐えきれず雨宿り。
そんな中、撮影した一枚がこの写真。

トタンの屋根から流れてくる水が
地面を激しく打つ
あたりはうす暗く、
とてもまともなシャッタースピードでは撮れない。
それならば、
と本物か分からないHONDAのバイクにピントを合わせてみた。
写真を撮ってさらに待つこと5分ほど。
雨はなかなか止まないので再び宿探しへ出発
その後も水位は上がり続け、
遂には膝下まで浸かる。
そんな中、そのタイヤの半分以上を水に浸からせたまま
がんばっていてくれたバイクがついにエンスト。
おじさん
キーを回し、アクセルを吹かし、
なんとかエンジンをかけようとする。
何度もトライすれば、
一度くらいはかかる。
それで少し進んで、
またエンスト
『宿はまだかなあ?』つぶやくおじさん
それは僕のセリフだよ、
と思いながらも
どしゃぶりの雨の中
おじさんとなぜか笑い合って過ごした
プノンペンの昼下がり
日本にいても、
今日降ったような強い雨の日は、
ふと、そんなある日を思い出す。
でこぼこの道を走らせようやく到着した首都のプノンペン。
タクシーを降りるとすぐに、
暇を持て余すバイクタクシーのドライバーが取り巻いてくる。
『どこに行くんだ』
『宿は決まっているのか』
『ガイドはいらないか』
暑い車内に5時間もいた僕はくたくたで、
とりあえず宿を取りたかった。
ドライバーの輪の中でも人の良さそうなおじさんに、
『(地図を指して)この宿に行きたいんだ』
と告げる。
(プノンペンの宿は、
アンコールワットのあるシェムリアップという町や、
タイやベトナムの観光地と比べて遥かに質が悪く、
しかも安宿街のようにまとまっているところがない。
→旅行者にとって便利な、情報の集まる場所がないということ。
小さな路地に点在する宿の中でも、
できるだけ安い宿を選び、おじさんに案内してもらう)
『分かった、後ろに乗りな』
大きなザックを背負いながら、
小ぶりなバイクの後部座席に座る。
バイクに乗り町を巡るなか、
パっと見ただけでも華僑資本の影響力が大きいと分かる。
『牛耳られてるなあ』
そんな思いを抱きながら、僕らを乗せたバイクは進む。
なかなか着かないなあ、迷ってるのかな
そう思いかけた頃。
突如降りだした猛烈なスコール。
そうか、カンボジアはまだ雨期を抜けきっていなかった。
9月も下旬、
タイなら乾季への移り変わりの時期だが、
カンボジアでは雨期の終わりかけの最も雨量の多い時期。
地面を叩きつけるような物凄い雨で、
道路はあっというまに水に浸されていく。
なんという水はけの悪さだろう。
こんなに簡単に道路に水が貯まったら、
毎日大変だろうに
なんて考えてはみるけど、
僕らももちろんべしょ濡れ。
カメラバックだけは濡れないように、
と必死に抱えながら宿探しを続けていたが、
耐えきれず雨宿り。
そんな中、撮影した一枚がこの写真。

トタンの屋根から流れてくる水が
地面を激しく打つ
あたりはうす暗く、
とてもまともなシャッタースピードでは撮れない。
それならば、
と本物か分からないHONDAのバイクにピントを合わせてみた。
写真を撮ってさらに待つこと5分ほど。
雨はなかなか止まないので再び宿探しへ出発
その後も水位は上がり続け、
遂には膝下まで浸かる。
そんな中、そのタイヤの半分以上を水に浸からせたまま
がんばっていてくれたバイクがついにエンスト。
おじさん
キーを回し、アクセルを吹かし、
なんとかエンジンをかけようとする。
何度もトライすれば、
一度くらいはかかる。
それで少し進んで、
またエンスト
『宿はまだかなあ?』つぶやくおじさん
それは僕のセリフだよ、
と思いながらも
どしゃぶりの雨の中
おじさんとなぜか笑い合って過ごした
プノンペンの昼下がり
日本にいても、
今日降ったような強い雨の日は、
ふと、そんなある日を思い出す。
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